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鍼灸臨床医案【冷疾1】

本日は『続名医類案』から「冷疾」の医案をご紹介させていただきます。

【冷疾1】

趙从先治保義郎頓公,苦冷疾,三年,至于骨立。一日,正灼艾而翁来,詢其病源,頓以実告。令撤去。時方盛暑,俾就屋開三天窗, 于日光下射処,使頓仰臥,操艾遍舗腹上,約数斤,移時日光透臍腹不可忍,俄而腹中雷鳴下瀉,口鼻間皆濃艾気乃止。明日復為之,如是一月,疾良已。乃令満百二十日,自是宿痾如洗,壮健如少年時。趙曰∶此孫真人秘訣也。世人但知灼艾,而不知点穴,又不審虚実,徒受痛楚,損耗気力。日者太陽真火,艾既遍腹,徐徐照射,入腹之功極 大,五六七月最佳。若秋冬間当以濃艾舗腹,蒙以棉衣,以熨斗盛炭火慢熨之,以聞濃艾気為度,亦其次也。其術甚奇,而中理皆類此。

続名医類案より

(洪邁『夷堅志』

【注釈】

①保義郎:官職名。

②冷疾:氷のように冷たく感じる病証。

③骨立:痩せ細って,まるで骨のように直立している。

④正灼艾而翁来:まさしく施灸しようとしていた時に趙三翁がやってきた。

⑤以実告:事実を伝えた。

⑥開三天窗:3つの天窓を掘った。

⑦于日光下射:日光が直射する頃。

⑧移時:しばらくして。

⑨雷鳴:雷に打たれたかのように響いた。

⑩乃止:やっと停止した。艾を撤去した。

⑪復為之:また施灸した。

⑫如是一月:このようにして一ヶ月間日光による艾灸を行った。

⑬百二十日:120日。

⑭自是宿痾如洗:これ以来,病は洗い流したかのようにすっかり治癒した。

⑮孫真人:孫思邈。

⑯点穴:穴位を定めて施灸治療する。

⑰五六七月:農歴の5月,6月,7月。

⑱其次:これは次なる治療法。

⑲中理:内部の道理。

⑳洪邁:(1123~1202)南宋の文学家。

㉑『夷堅志』:洪邁の撰による筆記小説。

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