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鍼灸臨床医案【上熱下寒1】

【上熱下寒1】

本日からお盆休み,例年並みの暑い日々が続いています。

松江市の高校では集団クラスターが発生し,島根県も一躍全国区に進出することになりました。しかし国としてこれといった対策をしてない現在,全国でも同様のケースが頻発する恐れがあります。
同じ過ちを繰り返さないよう,しっかりと対策を講じて欲しいものです。

本日は羅天益『衛生宝鑑』から,「上熱下寒」の医案をご紹介いたします。

【原文】

中書右丞姚公茂。六旬有七。宿有時毒。至元戊辰春。因酒病発。頭面赤腫而痛。耳前後腫尤甚。胸中煩悶。咽嗌不利。身半以下皆寒。足脛尤甚。由是以床相接作炕。身半以上臥于床。身半以下臥于炕。飲食減少。精神困倦而体弱。命予治之。診得脉浮数。按之弦細。上熱下寒明矣。内経云。熱勝則腫。又曰。春気者病在頭。難経云。蓄則腫熱。砭射之也。盖取其易散故也。遂于腫上約五十余刺。其血紫黒如露珠之状。頃時腫痛消散。又于気海中火艾炷灸百壮。乃助下焦陽虚。退其陰寒。次于三里二穴。各灸三七壮。治足胻冷。亦引導熱気下行故也。遂処一方。名曰既済解毒湯。以熱者寒之。然病有高下。治有遠近。無越其制度。以黄芩,黄連苦寒酒制炒。亦為因用。以瀉其上熱。以為君。桔梗,甘草辛甘温上升。佐諸苦薬以治其熱。柴胡,升麻苦平。味之薄者陽中之陽。散発上熱以為臣。連翹苦辛平。以散結消腫。当帰辛温和血止痛。酒煨大黄苦寒。引苦性上行至巓。駆熱而下以為使。投剤之後。腫消痛減。大便利。再服減大黄。慎言語。節飲食。不旬日良愈。(羅天益『衛生宝鑑』)

【注釈】

①中書右丞:官職名。

②六旬有七:67歳。

③時毒:時邪疫毒。

④至元戊辰:元・至元5年(1268年)。

⑤遂于腫上約五十余刺:そこで腫脹部位に約50回点刺して出血させた。

⑥既済解毒湯:大黄・黄連・黄芩・炙甘草・桔梗・柴胡・升麻・連翹・当帰。

⑦不旬日:10日もかからず。

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