2022-03-08
本日は『名医類案』に記載されている「虫」の疾患医案になります。
休寧西山金挙人①,嘗語人曰:予嘗病小腹甚痛,百薬不応。一医為灸関元十余壮,(小腹痛,百薬不效,宜灸。)次日,茎②中淫淫而痒,視之如虫,出四五分,急用鉄鉗撦出,虫長五六寸,連日虫出如此者七③,痛不復作④。初甚驚恐,後則視以為常,皆用手撦,此亦偶見也。仲景云:火力雖微,内攻有力,虫為火力所逼,勢不能容,故从溺孔出也。其人善飲,御内⑤,膀胱不無湿熱,遇有留血瘀濁,則附形蒸鬱為虫矣。経云:湿熱生虫,有是理也。故癆虫,寸白虫,皆由内湿熱蒸鬱而生,非自外而至者也。正如春夏之交,湿熱蒸鬱而諸虫生焉。是矣,此亦奇病,因記之。(江瓘『名医類案』)
①挙人:明清代の科挙制度において,郷試で採用された人を挙人と呼んだ。
②茎:陰茎。
③連日虫出如此者七:数日間続いて,このような虫が七匹出てきた。
④痛不復作:疼痛は二度と再発しなかった。
⑤御内:男女の交合。