2022-06-13
本日は『鍼灸大成』から,「崩」の医案をご紹介いたします。
「崩」とは,血崩,崩中ともいい,不正子宮出血を指します。
己卯歳②,行人③張靖宸公夫人,崩不止,身熱骨痛,煩躁病篤,召余診,得六脈数而止,必是外感,誤用涼薬。與羌活湯④熱退,餘疾漸可。但元気難復,後灸膏肓,三里而愈。凡医之用薬,須憑脈理,若外感誤作内傷,実実虚虚⑤,損不足而益有餘,其不夭滅人生也,幾希?(楊継洲『鍼灸大成』)
①崩:血崩,崩中。不正子宮出血。
②己卯歳:明・万歴7年(1579年)。
③行人:官職名。
④羌活湯:羗活・防風・蒼朮・細辛・川芎・白芷・生地黄・黄芩・甘草。
⑤実実虚虚:邪気がさらに実し,正気がさらに虚す。