2022-06-13
本日で9月も終わりです。
本日から「難産」の医案が続きます。
朱新仲祖居桐城時,親戚間有一婦人妊孕将産,七日而子不下,薬餌符水①無不用,待死而已。名医李几道偶在朱公舍,朱引至婦人家視之,李曰:此百薬無所施,惟有針法,吾芸②未至此,不敢措手③爾。遂還,而几道之師龐安常④适過門,遂同謁⑤朱。朱告之故曰:其家不敢屈公然,人命至重,公能不惜一行救之否? 安常許諾,相与同往。才⑥見孕者,即連呼曰:不死。令其家人以湯温其腰腹間,安常以手上下拊摩之,孕者覚腸胃微痛,呻吟間生一男子。母子皆無恙。其家驚喜,拜謝敬之如神,而不知其所以然。安常曰:児已出胞,而一 手誤執母腸胃,不復能脱,故雖投薬而無益。适吾隔腸捫児手所在,針其虎口⑦,児既痛即縮手,所以遽生⑧無他術也。試令取児視之,右手虎口有針痕,其妙如此(泊宅編)。医説より(周守忠⑧『歴代名医蒙求』⑨)
①符水:道家が治療に使用する,いわゆる「神水」。すなわち呪いを書いた札を燃やし,水に溶かしたもの。
②芸:医療技術を指す。
③措手:処理。
④龐安常:龐安時。宋代の名医。
⑤謁:拝見する。
⑥才:~したばかり。
⑦虎口:合谷穴(『針灸甲乙経』を出典とする)。
⑧遽生:急速に生まれた。
⑨周守忠:浙江省杭州出身の宋代の医者
⑩『歴代名医蒙求』:周守忠の撰により嘉定13年(1220年)に成書となる。