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鍼灸臨床医案【難産1】

【難産1】

本日で9月も終わりです。

本日から「難産」の医案が続きます。

【原文】

朱新仲祖居桐城時,親戚間有一婦人妊孕将産,七日而子不下,薬餌符水無不用,待死而已。名医李几道偶在朱公舍,朱引至婦人家視之,李曰:此百薬無所施,惟有針法,吾芸未至此,不敢措手爾。遂還,而几道之師龐安常适過門,遂同謁朱。朱告之故曰:其家不敢屈公然,人命至重,公能不惜一行救之否? 安常許諾,相与同往。才見孕者,即連呼曰:不死。令其家人以湯温其腰腹間,安常以手上下拊摩之,孕者覚腸胃微痛,呻吟間生一男子。母子皆無恙。其家驚喜,拜謝敬之如神,而不知其所以然。安常曰:児已出胞,而一 手誤執母腸胃,不復能脱,故雖投薬而無益。适吾隔腸捫児手所在,針其虎口,児既痛即縮手,所以遽生無他術也。試令取児視之,右手虎口有針痕,其妙如此(泊宅編)。医説より(周守忠『歴代名医蒙求』

【注釈】

①符水:道家が治療に使用する,いわゆる「神水」。すなわち呪いを書いた札を燃やし,水に溶かしたもの。

②芸:医療技術を指す。

③措手:処理。

④龐安常:龐安時。宋代の名医。

⑤謁:拝見する。

⑥才:~したばかり。

⑦虎口:合谷穴(『針灸甲乙経』を出典とする)。

⑧遽生:急速に生まれた。

⑨周守忠:浙江省杭州出身の宋代の医者

⑩『歴代名医蒙求』:周守忠の撰により嘉定13年(1220年)に成書となる。

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