2021-02-23
本日から,「驚癇」の医案をご紹介いたします。
驚癇とは,驚風・癇症などの各種病証全般を指します。また小児癇証の類型のひとつでもあります。
一児四歳。病驚已絶。予用針刺其涌泉一穴而醒。自此驚已不発。予謂其父曰。此驚雖。未服豁痰之薬。若不早治。恐発癇也。父母不信。未及半年。児似痰迷②。飲食便溺。皆不知也。時復昏倒。果然成癇病。其父来訴曰。不信先生之言。誠有③今日之病。愿乞医治。不敢忘報。予乃問其子。爾病発時。能自知乎。子曰。欲昏則発。乃作銭氏④安神丸加胆草服之。教其父曰。爾子病将発時。急掐両手合谷穴。如此調治。一月而安。(万全『幼科発揮』)
②痰迷:痰迷心竅(痰濁による心竅の閉塞)。
③誠有:はたして,やはり。
④銭氏:銭乙(北宋の小児科医)。