2022-03-10
本日の医案は,張子和の『儒門事親』より「痃気」をご紹介したします。
「痃気」とは,痃ともいい,腹腔内に弦索状の痞塊を生じること全般を指します。
王亭村一童子,入門,状如鞠恭而行。戴人曰∶痃気也。令解衣揣之,二道如臂①。其家求療于戴人。先刺其左,如刺重紙②,剥然有声而断。令按磨③之,立軟。其右亦然。観者感嗟④異之。或問,曰∶石関穴⑤也(張子和『儒門事親』)
①二道如臂:二本とも上腕のような索状の塊状である。
②重紙:紙を何重にもしたもの。
③按磨:按摩。
④感嗟:感嘆する。
⑤石関穴:別名を石闕といい,足少陰腎経に属する。臍上3寸(建里)の左右外側0.5寸の部位。