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鍼灸臨床医案【目赤2】

【目赤2】

本日から3月に入りました。今年は花粉の飛来が半端ないようです。

本日も張子和『儒門事親』から「目赤」の医案をご紹介したします。

【原文】

昔一士人趙仲温,赴試暴病,両目赤腫,睛翳不能識路,大痛不任,欲自尋死。一日,与同儕釈悶,坐于茗肆中。忽鈎窗脱鈎,其下正中仲温額上,髪際裂長三,四寸,紫血流数升,血止自快,能通路而帰,来日能辨屋脊,次見瓦溝,不数日復故,此不薬不針,誤出血而愈矣!夫出血者,乃発汗之一端也。亦偶得出血法耳!鳴呼!世人欲論治大病,舍汗,下,吐三法,其余何足言哉?此一説,読之者当大笑耳,今之医者,宜熟察之可也。人能謹察其真中之誤,精究其誤中之真,反復求之,無病不愈。余之所以書此者,庶後之君子,知余之用心非一日也。(張子和『儒門事親』)

【注釈】

①不任:耐えきれない。

②同儕:同輩。

③釈悶:気持ちが晴れる。

④茗肆:茶館。茗とは,茶芽のこと。

⑤通路:ルートをしっかりつけるという意味。

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