最近テレビで「令和おじさん」が虐められている様子を見る度に,「令和」について復習してみたくなりました。
令和の典拠は『万葉集』巻五にあるとされます。
于時,初春令月,氣淑風和,梅披鏡前之粉,蘭薫珮後之香
(時は令い月であり,空気は美しく,風は和やかで,梅は鏡の前の美人が白粉で装うかのように花咲き,蘭は衣に纏うかのように薫らせる)
これは3年前にいやという程目にした解説ですね。誰も本サイトでの解説は必要としてないですよね~。
『霊樞』終始第九には次のような記載があります.
陽受氣于四末.陰受氣于五藏.故寫者迎之.補者隨之.知迎知隨.氣可令和.
(陽は外を主り,気を四肢に受け,陰は内を主り,気を五蔵に受ける。それゆえ瀉法では経気の走向を迎えるように,補法では経気の走向に随うように行います。この迎随の補瀉法を理解して,経気を調和させなければなりません)
ちょっと東洋医学っぽくなってきましたよ~。まだまだ続きます。
『素問』至真要大論篇第七十二です。
謹守病機,各司其属,有者求之,無者求之,盛者責之,虚者責之,必先五勝,疏其血気,令其調達而致和平。
謹守:慎重に病機を把握すること。
機:物事が変化する原因,きっかけ。病機とは病の変化の状態を指します。
属:五臓,六腑,七情,六気,貴賎,老少,先天 的な虚実,病における標本,風気における五方,運気における勝復など,総合的にデータを分析することを指します。
有者求之:邪の有無を調べ,その所属を審らかにすること。
盛者責之:実証,虚証を区別して治療を処すこと。
必先五勝:相生・相剋関係を考慮し,五気のどの気が勝った病であるかを分析すること。
疏其血気:補法,瀉法などにより,その気血を疎通させてやること。
(気血を疎通させて調和させることが治療の最終目標である)
最後に『礼記』から引用します。
発号出令而民説,謂之和
(天子が号令を発して人民が喜ぶなら,それを上下和合という)
現在の日本で,政府が発した号令を喜んでいる国民がどれだけいるのでしょうか?
「令和」のこの時代にこそ,国民が心から喜ぶ政治を期待したいところです。