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鍼灸臨床医案【喉痹1】

【喉痹1】

緊急事態宣言で始まった今年のゴールデンウィークもとりあえず終わりそうです。

私は自宅に引きこもり,翻訳三昧のお休みとなりました。

本日から「喉痹」の医案をご紹介いたします。

「喉痹」とは,喉閉ともいい,咽喉部が腫脹して痛み,嚥下障害を生じる症状全般を指すものです。

まずは『千金翼方』に記載されているカルテです。

【喉痹1】

論曰:安康公李襲興称,武德中出鎮潞州,嘱随征士甄権以新撰『明堂』示余,余既暗昧,未之奇也。時有深州刺史成君綽,忽患頸腫如数升,喉中闭塞,水粒不下已三日矣,以状告余,余屈権救之,針其右手次指之端,如食頃,気息即通,明日飲啖如故。

(孫思邈『千金翼方』

【注釈】

①武德:唐代の年号で,618~626年。

②『明堂』:『明堂人形図』のこと。

③右手次指之端:右側の手の陽明大腸経の商陽穴。

④啖:食べる。

⑤『千金翼方』:唐・孫思邈(そん・しばく)の著で,唐・永淳元年(682年)の成書。

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