2024-01-01
中国医学では痛みの原因について,「不通則痛」「不営則痛」,つまり「通じないから痛む」「営養されないから痛む」といいます。では「何が通じない」のでしょうか? 人体内部を循環しているものには,「気」「血」「水」があります。これらは人間が生命活動を維持していくうえで必要不可欠なものです。そう,つまりこれらが十分に行き届いていないと痛みが出て,ご主人様に警告信号を送っているのです。
では,どうやって治療するかというと,その方法は「不通則通」,つまり「通じないのだから通じさせる」のです。
では,どうやって通じさせてやればよいのでしょうか? そのためには,まずなぜ通じなくなったかという原因を明らかにする必要があります。
当院では,その原因が筋肉のコリにあると考えて施術いたします。器質的疾患がある(膝なら膝の骨そのもの,腰なら腰の骨そのものに問題がある場合などをいいます)場合を除き,原因が筋肉のコリにあることがほとんどです。
例をあげて説明いたします。
手や足は神経によって動くことはご存じだと思いますが,神経は筋肉のなか,隙間を通過して目的地まで行っているため,ある筋肉に強烈なコリがあると,そこを通過している神経が影響を受けてしびれを生じることになります。その筋肉に鍼を打つと,強い得気(鍼による響き)が起きてしびれが軽減・解消されます。もちろん手技により行なうことも可能です。
血管も筋肉のなか,隙間を通過して目的地に酸素・栄養分を運び,老廃物を体外へ排出するように働いています。この場合も筋肉のコリがあると血流が影響を受けてしまい,「営養されないから痛む」となってしまいます。