2022-03-09
当院は鍼灸を主とした治療院です。
鍼治療において心がけている点についてお話させていただきます。
鍼灸師のバイブルとされる『黄帝内経・霊枢』九針十二原には,次のような記載があります。
刺之要.氣至而有效.效之信.若風之吹雲.明乎若見蒼天.刺之道畢矣.
日本語訳してみましょう。
鍼治療では,得気があることにより有効となり,まるで風が雲を吹き払うかのように,立ちこめていた暗雲が,快晴へと一変するかのような顕著な効果がある。これが刺鍼治療における道理である。
つまり,鍼治療を行なう場合には,得気(原文で気至とあるものを現代中医学ではこう呼んでいます)が大切であると記載されています。
私が南京で鍼灸を学んでいた頃,江蘇省中医医院の先生方も,常にいかにして得気を病処へ届かせるかを考えて治療にあたっていらっしゃいました。
得気があると,どのような感覚があるのでしょうか?
患者様側としては,だるい・圧迫感・締め付けられる・重いなどの感覚が生じ,術者側には鍼先を通じて何か得体の知れないもの(邪気と呼んでいます)が伝わってくるように感じる場合があります。
当院におきましては,得気を生じさせ,病処へ到達させるために,長鍼,太めの鍼を使用しております。そのため,ズシンとした感じや,ピリッと電気が走るような感覚が起こります。
また鍼は「おぜっ!」という患者様には,効果は劣るものの同様の刺激を手技で行っております。ご遠慮なくご相談ください。