2021-06-26
前回に引き続き,華佗のカルテです。
刺血絡療法が行われています。赤い血が出るまで刺絡を行なうというのがポイントでしょうか?
有人苦頭眩,頭不得挙①,目不得視,積時年②許。先生視之,使③悉④解衣倒懸,令頭去地⑤一,二寸,濡布⑥拭身体,令周匝⑦,候視諸脉尽出五色。乃令弟子数人,以鉞刀⑧决⑨脉,五色血尽,視赤血出乃下。以膏摩 ⑩ ,被覆,汗出周匝,飲以蒂藶犬血散之立愈。此即逆治之法也。(孫思邈注)
『華佗神方』より (陳寿『三国志』魏書・方技伝)
【注釈】
①頭不得挙:頭を上げることができない。伸展障害。
②積時年:1年あまり。「積」とは累計。
③使:派遣する。
④悉:ことごとく。
⑤去地:地面から去ること,地面からの距離。
⑥濡布:湿布。
⑦周匝:一身。
⑧鉞刀:䤵鍼。『霊樞』九針十二原に記載がある。
⑨决:障害物を取り除くこと。
⑩膏摩,被覆:薬膏であん摩し,綿で覆う。