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新型コロナウィルス肺炎 その3

ダイヤモンド・プリンセス(中国語では鉆石公主)号からの下船のニュースが続いています。

下船許可された乗員乗客の皆様,お疲れ様でした。また,まだ下船許可の出ていない乗員乗客の皆様,もう少しの辛抱です。

かくいう私は,コレラ菌が検出されたということで,1987年に大阪・池田市の病院に隔離させられた経験があります。

当時,バングラデシュでひどい下痢をし,ネパールで寛解したものの,ビルマ(現ミャンマー)で川の水を飲んで更に下痢していました。

忘れもしない,ビルマ・マンダレー(とてつもない数のパゴダがあります)のツーリスト・インフォメーションのウォーターサーバの水を飲もうとした際,何か生臭い臭いがしたのですが,喉の渇きに負けて一口飲んでしまったのです。まさかツーリスト・インフォメーションには非衛生的な水など置いてないだろう,という希望的な思いも後押ししました。

その夜から再びのひどい下痢が起こり,手持ちの抗生物質を服用してなんとか収まり,タイ・パタヤの安バンガローでリハビリしてから帰国しました。

空港の免疫で「下痢した」と申告したところ,その場ですぐに検便させられました。その時は,2~3日経ってから大変な事になろうとは夢にも思っていませんでした。

帰国して2~3日後,ちょうどパチンコから帰宅すると,なんと背中にタンクを背負っ た上下白装束の方が2~3人,私の住むアパートにやってきたところに出くわしました!

私はそのまま病院へと連行されると,裏口の方から別棟(いわゆる隔離病棟というやつ)に入れられたのです。

当初はバックパック旅行から帰国したばかりだったので,タダで食事にありつけるし,ゴロゴロし放題の生活を満喫していたのですが,2~3日経過すると耐えられなくなってきました。

ドクターは入院した当日にしか見に来てくれないし,食事を持ってきてくれる看護婦(当時はまだ看護婦さんのみでした)さんは,窓の外から置いて行くだけだし,隔離されている人は私だけだし,まったく話し相手がいないのです。携帯電話などまだ無い時代です。

この時は本当に気が狂いそうになり,夜に逃亡しようか(トイレの窓からは逃亡しようと思えば逃げることができたのです)と何度も思いもした。

当時お世話になっていた西村さんがお見舞いに来て下さったのですが,話もガラス越し。あとで聞いた話ですが,見舞者側のガラスには「伝染するので注意するように」との張り紙があったそうです。

そして2週間後,めでたく退院できましたが,退院時には入ってきたドアとは別のドアから出していただきました。出口にはとっても大きなオートクレーブがあったことが印象的でした。今でも鍼具を消毒する際に思い出すことがあります。

その時聞いた話なのですが,私の便からは死んだコレラ菌しか検出されなかったのですが,法律でとにかく2週間の隔離が決められているため,有無を言わさず隔離したということでした。その法律もかなり昔に作られたもので,当時のご時世にはマッチしないものだともお聞きしました。

今回,ダイヤモンド・プリンセス号の皆様に対する措置も,日本の古い法律を基準にして規定された法律に基づいて行われたものだと思います。

お役人様は法律が無いと働けません,政府は国民の健康より経済を優先した法律しか作りません。それに従って粛々と措置がなされていくだけでしょう。コロナウィルスも「想定外」で片づけられてしまわないよう,今後の対策にしっかり注目していく必要があります。

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