新型コロナウィルス肺炎の中医薬治療

清肺排毒湯について昨日も記載しましたが，その方意について「運気論」の面から考えてみたいと思います。

『黄帝内経素問』六元正紀大論篇に以下の記載があります。

庚午．庚子歳． 上少陰火．中太商金運．下陽明金．熱化七．清化九．燥化九．所謂正化日也． 其化上鹹寒．中辛温．下酸温．所謂藥食宜也．

庚午．庚子の歳には，少陰君火が司天となり，中運は金の太過の歳，陽明燥金が在泉の気となります。歳運太過の金気と在泉の気の陽明燥金の五行が同じとなるこの2年は同天符となります。

今年は庚午の歳となります。そこで上文を参考にすると，
①司天の熱気により病を生じた場合には，鹹と寒を使用する。
②中運の清化により病を生じた場合には，辛と温を使用する。
③在泉の燥化により病を生じた場合には，酸と温を使用する。
と記載されています。

これによって清肺排毒湯の方意を「五運六気」の面から理解することができます。