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鍼灸臨床医案【脾胃疾患1】

本日は『鍼灸大成』から脾胃疾患の医案です。

【脾胃疾患1】

甲戌歳,觀政田春野公乃翁,患脾胃之疾,養病天壇,至敝宅数裡,春野公毎請必親至,竭力盡孝。余感其誠,不憚其遠,出朝必趨視。告曰:『脾胃乃一身之根蒂,五行之成基,萬物之父母,安可不由其至健至順哉? 苟不至健至順,則沉疴之咎必致矣。然公之疾,非一朝所致,但脾喜甘燥,而悪苦湿,薬熱則消於肌肉,薬寒則減於飲食,医治久不獲当,莫若早灸中脘,食倉穴』。忻然從之,毎穴各灸九壮,更針行九陽之数,瘡発漸愈。春野公今任兵科給事中,乃翁乃弟倶登科而盛壮。(楊継洲『鍼灸大成』)

【注釈】

①甲戌:明・万歴2年(1574年)。

②觀政:官職名。

③敝宅(へいたく):自分の家の謙譲語。

④憚:はばかる。おそれる。

⑤趨視:すぐ診察しに行く。

⑥苟:もし。

⑦咎:災難。

⑧食倉穴:経外奇穴,中脘穴の左右外側3寸。

⑨忻然:喜ぶ様子。

⑩給事中:官職名。

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