2022-03-07
本日は『続名医類案』からの出典となります。張子和の医案です。
少陽相火が原因の腰痛なので,足少陽経の陽陵泉穴で治療しています。
張子和女僮,冬間自途来,面赤如火,至●「氵+隠」陽病腰胯大痛,裏急後重,痛則見鬼神。張曰∶此少陽経也,在身側為相火①。使服舟車丸,通経散,瀉至数盆,病犹未瘥。人皆怪之,以為有祟②。張大怒曰∶驢鬼也③。復令服調胃承気湯二両,加牽牛頭末二両同煎,服之大下数十行,約一二缶,方舍其杖策④。但発渇,恣其飲水,西瓜,梨,柿等。張曰∶凡治火,莫若冰水,天地之至陰也。約飲水一二桶,犹覚微痛。乃刺其陽陵穴⑤,以伸其滞,足少陽胆経之穴也,自是方寧。女僮自言,此病毎一歳須瀉五七次,今年不曾瀉,故如是也。常仲明⑥悟其言,以身有湿病,故一歳亦瀉十余行,病始已。此可与智者言,難与愚者論也。(魏之琇『続名医類案』)
①相火:君火に対する語。少陽相火⇔少陰君火
②祟:鬼神にたたられる。
③驢鬼也:意味のわからないことを喋る。
④杖策:杖。
⑤陽陵穴:陽陵泉穴。
⑥常仲明:常用晦,字は仲明,金代の鎮陽出身の教授。