2021-06-26
本日から6月です,今日は痹証の医案をご紹介いたします。
痹証とは,風寒湿邪が体の経絡を侵襲し,四肢関節の疼痛,麻木(痺れと感覚異常),屈伸障害などを生じる病証を指します。
按『旧唐書』本伝:甄権,許州扶溝人也。嘗以母病,与弟立言専医方,得其旨趣。隋開皇初為秘书省正字,後称疾免。隋②魯州③刺史④庫狄嶔苦風患,手不得引⑤弓,諸医莫能療,甄権⑥謂曰:但将弓箭向垜⑦,一針可以射矣。針其肩隅一穴,応時即射。権之療疾,多此類也。貞観十七年,権年一百参歳。太宗幸其家,視其飲食,訪以薬性,因授朝散大夫,賜几杖衣服。其年卒。撰『脉経』,『針方』,『明堂人形図』各一卷。
(劉昫⑧ら『旧唐書』⑨)
【注釈】
②隋:隋朝。
③魯州:現在の河南省魯山県。
④刺史:官職名。
⑤引:引っ張る。
⑥甄権(けんけん):唐代の名医。
⑦垜:土を盛って作った射的。
⑧劉昫(りゅうく):翰林学士。
⑨『旧唐書』:原名は『唐書』