本日は徐春甫の『古今医統大全』に記載されている医案をご紹介いたします。
【原文】
鎮南王妃①苦風患,秃魯御史以文中聞②,文中丐診候③,按手合谷,曲池而 針潜入④焉,妃殊不省也。移晷,手足并挙,次日起坐。(徐春甫⑤『古今医統』⑥)
【注釈】
①鎮南王妃:鎮南王の妻。
②秃魯御史以文中聞:秃魯御史は徐文中の医術の名声を知っていた。御史:官職名。以:すでに知っている。
③診候:症状を診察する。
④針潜入:鍼を隠し,患者に刺入することを知らさないようにする。
⑤徐春甫:明代の医学家。
⑥『古今医統』:『古今医統大全』ともいう。徐春甫の編纂,全100巻,嘉靖35年(1556年)に成書となる。