2022-06-13
本日は周密の『斉東野語』から「難産」の医案をご紹介いたします。
【難産4】
按『斉東野語』:唐長孫後怀高宗,数日不能分娩,诏医博士①李洞元候脉,奏云:缘子以手執母心,所以不産。太宗問曰:当何如? 洞元曰:留子母不全②,母全子必死。後曰:留子,帝业永昌。遂隔腹針之,透心至手。後崩③,太子即诞。後至天陰,手中有瘢。(周密④『斉東野語』⑤)
【注釈】
①医博士:医学教授官。
②不全:安全を保障できない。
③崩:崩御する。
④周密:(1232~1308)。済南出身の人物。
⑤『斉東野語』:周密の撰による。