2022-03-11
本日の医案は「誤刺」です。
胃に刺鍼するつもりが,誤って肝臓に刺鍼したものです。
当時の中国では鉄の太い鍼を使用していたと思うのですが,施術者としてはこのようなことがないよう,常に注意して施術にあたらねばならないと身が引き締まるおもいです。
【誤刺1】
督邮徐毅得病,先生①往省之,毅謂先生曰:“昨使医曹吏②劉租針胃管③訖④,便苦咳嗽,欲臥不安。”先生曰:“刺不得⑤胃管,误中肝也,食当日減,五日不救⑥。”果如先生言。
【注釈】
①先生:華佗。
②医曹吏:医官名。
③胃管:中脘穴。
④訖:完了する,終わる。
⑤刺不得:命中しない。
⑥不救:救うことが出来ない,死亡する。