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鍼灸臨床医案の紹介【面疾1】

鍼灸臨床医案

【面疾1】       

「面疾」とは,顔面の疾患のことです。

まずは『鍼灸大成』の医案をご紹介いたします。

【原文】

庚辰歳過揚,大尹黄縝庵公,昔在京朝夕相與,情誼甚篤,進謁留疑,不忍分袂,言及三郎患面部疾,数載不愈,甚憂之。昨焚香卜霊棋課曰:『兀兀塵埃久待時,幽窗寂寞有誰知,運逢宝劍人相顧,利遂名成總有期。』與識者解曰:『宝者珍貴之物,劍者鋒利之物,必逢珍貴之人,可愈。』今承相顧,知公善針,疾愈有期矣。余針巨剥,合谷等穴,更灸三里,徐徐調之而愈。時工匠刊書,多辱蟹米之助。(楊継洲『鍼灸大成』)

【注釈】

①庚辰歳:明・万歴8年(1580年)。

②霊棋課:将棋の駒12枚に,上・中・下の字を刻み,放り投げることにより計124の卦を建て占いをするもの。

③余:楊継洲。

④辱:かたじけない。ありがたく。

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