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鍼灸臨床医案の紹介【咽嗌疾患1】

鍼灸臨床医案

【咽嗌疾患1】

22日からGotoトラベルキャンペーンが始まりましたが,松江は雨続きです。

本日は『鍼灸大成』から「咽嗌疾患」のカルテをご紹介いたします。

【原文】

辛未夏,刑部王念頤公,患咽嗌之疾,似有核上下於其間,此疾在肺膈,豈薬餌所能愈。東皋徐公推余針之,取膻中,気海,下取三里二穴,更灸数十壮,徐徐調之而痊。東皋名医也,且才高識博,非不能療,即東垣治婦人傷寒,熱入血室,非針莫愈,必俟夫善刺者,刺期門而愈。東皋之心,即東垣心也,而其德可並稱焉。視今之嫉賢妒能者,為何如哉? 然妒匪斯今,疇昔然矣。余曾往磁洲,道経湯陰伏道路旁,有先師扁鵲墓焉,下馬拜之。問其故。曰:『鵲乃河間人也。針術擅天下,被秦医令李●刺死於道路之旁,故名曰伏道,実可嘆也。有傳可考。』(楊継洲『鍼灸大成』)

【注釈】

①辛未:明・隆慶5年(1571年)。

②刑部:旧官制六部のひとつ。法律・刑罰の政令を主管する。

③咽嗌:咽は口・鼻の後で食道以上の口腔,嗌は食道の上口。

④東皋徐公:徐東皋に対する尊称。

⑤東垣:李杲(1180-1251)。

⑥妒匪斯今:嫉妬は今日に始まったものではない。匪は非。

⑦疇昔:以前。

⑧磁洲:河北省磁県。

⑨湯陰:河南省陰県。

⑩秦医令:秦国の太医令。医薬の官員を主管する。

⑪李●:秦の太医令。自身の医術が扁鵲に及ばないことを自覚しており,扁鵲を殺させた。

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