2022-03-03
本日は『扁鵲心書』の医案をご紹介します。
ここでも命関(食竇)穴が活躍しています。
嘗因路過衢州野店,見一婦人遍身浮腫露地而坐①。余曰∶何不在門内坐?婦曰∶昨日蒙土地②告我,明日有扁鵲過此,可求治病,我故于此候之。余曰∶汝若聴我,我当救汝。婦曰∶汝非医人③,安能治病?余曰∶我雖非医,然得扁鵲真伝,有奇方,故神預告汝。遂与保命延寿丹十粒服之,夜間小便約去④二升,五更覚飢。二次又服十五粒,点左命関穴⑤,灸二百壮。五日後,大便下白膿五七塊,半月全安。婦曰∶真扁鵲再生也。(竇材『扁鵲心書』)
①露地而坐:屋外に座る。
②土地:神の名。古代においては土地の神を社神といい,後世では土地と呼んだ。
③医人:医者。
④去:なくす,失う。
⑤命関穴:食竇穴。足の太陰脾経の経穴。