2022-03-11
本日で灸による誤治の医案は最後になります。
魏之琇の『続名医類案』からご案内いたします。
蒋仲芳①治一僧,初患疥,自以水銀,蘄艾熏之,遂喘息胸満,遍身浮腫。或投五皮飲②,不效。投椒目,大黄等,喘腫愈甚。曰∶気道皮膚,肺気熱也。復以火熏,火毒傷肺,遂失降下之令,気道塞,水道閉,喘息溺涩,浮腫之所由来也。今復推蕩,陰血又傷,若非童真③,難免于死矣。以麦冬,黄芩,山梔,桑皮,花粉,滑石,木通,灯草与之,四剤而愈。(魏之琇『続名医類案』)
①蒋仲芳:蒋示吉,字は仲芳。著書に『医宗説約』『望色啓微』。
②五皮飲:桑白皮,陳皮,生姜皮,大腹皮,赤茯苓。
③童真:僧侶で未婚のものは,腎気が堅固である。真は真気(腎気)を指す。