2022-03-07
本日は魏之琇の『続名医類案』から「虚労」の医案をご紹介いたします。
「虚労」は本日の医案で最終となります。
胡念安①治王在廷之室②,病虚労十余載,喘促吐沫,嘔血不食,形体骨立③,諸医束手④。診之,見其平日之方皆滋陰潤肺温平之剤,曰∶以如是之病,用如是之薬,自然日趨鬼道矣,焉望生機? 仲景云∶咳者則劇,数吐痰沫,以脾虚也。又昔賢云∶腎家生陽,不能上交于肺則喘。又云∶脾虚而失生化之原則喘。今脾腎敗脱,用薬如此,安望其生? 乃重投参,耆,姜,附等,二剤而喘定。縁⑤泄瀉更甚,加萸,寇十余剤而病減十七⑥。又灸関元,因畏痛,只灸五十壮,迄今十余年,体大健。(魏之琇『続名医類案』)
①胡念安:胡珏。清代の銭塘出身の人物。医学に精通していた。
②室:妻。
③形体骨立:体がガリガリに痩せ,まるで骨が立っているかのようである。
④束手:手を縛る。手段がない,または治療する能力がないことを例えたもの。
⑤縁:~による。
⑥十七:10分の7,7割。