鍼灸臨床医案【大便下血1】

【大便下血1】

今年の梅雨のおかげで，庭に水まきをしなくて助かっているのですが，そのかわり草が伸び放題，生え放題となり，草取りが大変です。

水害の被害に遭われた方々の一日でも早い復旧をお祈り申し上げます。

本日から「大便下血」の医案になります。

臍の裏に相当する脊中に施灸して治療するという，「陰病陽治」をおこなっています。

【原文】

一男子年四十余，素飲酒無度，得大便下血証，一日入厠二，三次，毎次便血一升許，予^①以四物湯^②加条芩，防風，荊芥，白芷，槐花等薬，連日与服，不效，後用橡斗^③焼灰二銭七分，調入前薬汁内服之，又与灸脊中対臍一穴，血遂止而平安，其病自此不発。（虞摶『医学正伝』）

【注釈】

①予：虞搏（ぐたん）。

②四物湯：『太平恵民和剤局方』を出典とする方剤。当帰・熟地黄・白芍・川芎。

③橡斗：硬い木で作ったキセル。